FXでの長期取引の利点と欠点

FXは2つの通貨を売買し、その為替差益を求めていく投資取引になります。
ですので、基本的には、例えば米ドルと日本円の通貨を選んだ場合、為替レートが1ドル100円の相場の時に10万円で1000ドルを買い、1ドル150円になったらそのドルを売って15万円にする、という利益の求め方をしていきます。
売買のタイミングは為替レートの変動で決まり、外国為替市場の相場は條単位で刻々と変わっていきますので、FXでは比較的短期間の取引が主流になっています。

しかし、FXにもこの為替差益の他に利益を求めていく方法があります。
それは、通貨が持つ金利を利用したものになります。この2つの通貨の金利の差をスワップポイントやスワップ金利と言い、このスワップポイントを求めて投資をしていく方法を、スワップトレード、スワップ運用などと言います。
スワップポイントはその通貨を保持し続けている間、1日ごとに集計されていき、通貨を決済した際に受け取ることができます。
ちょうど、外貨貯金の金利のようなもので、短期間で劇的に利益を上げることはできませんが、通貨を保持している状態、つまりポジションを持っている状態を保っているだけで、少しずつ着実に利益を積み上げていくことができるのです。

先にも少し出ましたが、外貨貯金と似た性質を持っているために、スワップポイントを狙っていくためには長期運用することで効果を発揮します。
しかも、外貨貯金では定期の場合にはすぐに現金に換えることができなかったり、その手数料が高かったりと、いろいろな制限がかかります。しかし、FXでポジションを長期保持ずる場合には、こうした制限はすべてクリアになります。
FXは、通貨の売買を行って利益を求めていくことに特化していますので、持っているポジションを決済することは当たり前ですし、それぞれのFX業者が顧客を取り合っているような状況ですので、取引手数料も無料、もしくはきわめて低額なところが多いのです。

こうした事から、FXでスワップポイントを目的とした長期間の投資は、小回りが利いて大変に有効だと言えるでしょう。ただし、見落としてはいけない、警戒するべき部分もいくつかあります。

まず警戒することは、レバレッジの取り扱いでしょう。レバレッジとは、取引業者に預ける証拠金を元に信用取引をし、投資をする額よりもより何十倍もの多くの資金を使って、取り引きを行うことを言います。

このレバレッジを使うと、少ない資金で大きな利益を得ることができます。しかし、万が一、為替レートが損失の方向に動いた場合は、その損失も大きくしてしまうのです。

スワップポイントで得られる利益は、為替を売買する利益よりも小さいので、例えば数ヶ月じっとためていったスワップポイントの利益を、一瞬で失ってしまうこともあるのです。
では、スワップポイントを掛けなければいい、という意見もありますが、このレバレッジの効果はスワップポイントで得られる利益にも適用されますので、この辺りはきちんとした見極めが必要になります。

また、レバレッジを使うと、損失を含んだ場合、それを決済しなくても含み損の段階で損失を大きくしてしまう難点があります。
これも、含み損なのだから決済をしなければ損失にならないのでは、と思われがちなのですが、実は取引業者がそれを許さないのです。

FXには多くの場合、マージンコールとロスカットという仕組みがあります。顧客のポジションの含み損が、預けている証拠金の一定の割合に達した時に発動する仕組みで、まずはじめにマージンコールが出され、含み損が大きくなったことを知らせ、顧客の方で持っているポジションを解消するか、証拠金に資金を追加するように通達があります。
これよりも、さらに含み損が進むと、取引業者は損失が顧客の元本を割ってしまう事を防ぐために、強制的に持っているポジションを決済して解消してしまうのです。そしてこれは、レバレッジが大きければ大きいほど、為替レートの僅かな値動きでも発生してしまうのです。

つまり、スワップポイントを目的として長期間投資しているばあいは、レバレッジを小さくするか、掛けないようにして、常に為替レートの動きを確認しておき、万が一のときは、素早くポジションを解消して危険を回避する必要があるのです。

この部分をしっかりと考えて管理できるようであれば、FXでも長期投資を行い、着実に利益を積み上げていくことが充分に可能で、慌ただしい投資取引だと思われがちなFXでも、ゆったりと落ち着いて資産運用を行うことができるのです。